運命の人はすべての人に存在するのか

10年ほど前にテレビを見ていた。よくある奇跡を謳ったテレビ番組だった。

【旅の途中で偶然出会い一目ぼれをした。だが、連絡先も聞かずに、別れてしまった。旅が終わった後もその事を後悔し続けた。ある日、奇跡のような運命の再開をした。片想いでなく二人はお互いに出会った瞬間から恋に落ちていて、相手も同じような事を考えていた】

という内容を数十分にわたり繰り広げられた。

ドラマにもならないベタな展開で、結婚をして今は幸せに暮らしているそうだ。

そして、その二人が登場した瞬間、体を電気が駆け抜けた。

２人とも引くほどブサイクだった。

再現VTRがそれなりの俳優を使っていた事も要因だが、お互いが「一目会った時から」という表現を使っていたし、旅先で出会って声を掛け合うの時点でハードルが上がっていた。そのハードルを、猛スピードでくぐりぬけていたのだった。

この体験は、自分の中で価値観を変えさせられる出来事だった。自分の中で、運命とかそういう言葉を探すには自分があまりにも濁っていたのを痛感してしまった